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日本の偽造防止技術はすごい!新1万円札の印刷が始まりました。


9月1日、2024年度から流通予定の新しい1万円札の印刷が、国立印刷局にて始まり、実物がお披露目されました。

 

日本では、偽造防止の観点から、約20年に1回デザインが変更されているそうです。

そんなに、偽造されてるの?と思ったら、まったくその逆で、日本の偽造防止技術は世界でも群の抜いてトップクラスです!

 

「偽造紙幣発見枚数割合」(国立印刷局、2012年)(※1)、つまり お札の流通量に対する偽札の発生割合を示したデータによると、日本を1とした場合、イギリスポンドは約1600倍、アメリカドルは600倍以上、ユーロは200倍以上もの偽札が発見されており、日本は諸外国と比べても偽札が少ない状況です。

 

警察庁の発表(※2)によると、令和2年に見つかった1万円札の偽札は、2,643枚。

今年に入ってからも1月から6月までの間で、1,018枚見つかっているそうです。

 

日本銀行(※3)によると、令和2年末に日本で流通しているお札の残高は118.3兆円(枚数にすると178.5億枚)ということなので、偽札が少ないのは日本の高度な印刷技術のおかげですね。

 

さて、今回、デザインがガラッと変わるお札は、1万円、5千円、1千円の3種類。

 

■新しいお札の特徴 (※4)

(1)図柄(肖像画)

  • 新一万円券・・・表)渋沢栄一  裏)東京駅丸の内駅舎
  • 新五千円券・・・表)津田梅子  裏)フジ(藤)
  • 新 千円券・・・表)北里柴三郎 裏)富嶽三十六景「神奈川沖浪裏」(葛飾北斎)

(2)ユニバーサルデザイン

  • 年齢や障害等に関係になく、誰でも使いやすいデザイン
  • 額面の数字を大きく表示
  • 指の感触で種類が分かるような工夫・・・「ホログラム」や「すき入れ」の位置を種類毎に変更

(3)新たな偽造防止対策

  • 現行のものに加えて、高精細なすき入れ(すかし)模様を導入
  • 最先端技術を用いたホログラム・・・肖像の3D画像が回転するホログラム!? 銀行券への採用は世界で初めてだそうです!
    • 一万円券、五千円券・・・ストライプタイプのホログラムを導入
    • 千円券・・・パッチタイプのホログラムを導入
  • 記番号を10桁へ変更(現行は、最大9桁)

 

 

日本は、新しいお札が発行されても、旧紙幣も使えますよね。(※5)

なんと、昭和18年以前に発行されていた「一円券」までも使うことができるそうです。(実際、店頭で受け取ってもらえるかは不明ですが)

昔、祖父母が見せてくれた「聖徳太子」の絵柄のお札が懐かしい・・・

 

一方で、偽札が発見される割合が非常に高いイギリスでは、頻繁に紙幣のデザインが変更されているのですが、新しい紙幣が発行されると、旧紙幣は決められた期限までしか使うことができなくなります。(※6)

 

旧紙幣のまま使えるのは、約2年くらいとのこと。結構、短期間で切り替えるようです。きっと、偽札が出回ることを防ぐためですよね。

 

イギリスでは、タンス預金はできませんね~。

 

調べたら、わが家にも使用期限が切れた旧紙幣が残っていました(汗)

イングランド銀行(日本でいう、日本銀行)に行けば、旧札を新札に両替してくれるらしいです。

いつかの日のために、大事に保管しておきます。

 

 

早く、新しい日本銀行券の実物を見てみたい!

 

 

ファイナンシャルプランナー 原田幸子